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金沢への旅 [日本の美術館]

2年前に金沢に引っ越したY&H夫妻が、「金沢は美味しいものがたくさんあるので、桜の季節に是非!」
とよんでくれた。土日は混むから平日で、桜の開花と仕事の都合を考え、4月11、12日と早くから
決めていた。そうしたら、今年は桜の開花が早かったですね。。

枝垂れ桜が満開の「金沢21世紀美術館」。
カメラをARTに合わせてしまったので、こんな写真。

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21世紀美術館は、「新しい文化の創造」を目的として作られたので、建物は円形で、
壁面がガラス。明るく開放的でどこからでも入れるというコンセプト。妹島和世と西沢立衛
のユニットSANAAの設計が評判になった。SANAAは、その後、ルーヴル美術館ランス別館の
設計も担当した。従って展覧会も「現代美術」のものが多い。「これ見るより、近江市場で
買い物したほうがいいでしょ」と、Yに言われ、「仰せの通りです」

ここへ来る前に、私は、ひとりで、石川県立美術館へ行った。
お目当ては、野々村仁清の国宝「色絵雉香炉」と重要文化財の「色絵雌雉香炉」
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ご覧のとおり、仁清の京焼は美しい色の金彩。雉の目玉に迫力がある。
これは、仁清好きの加賀藩主・前田家の所蔵だったが、家臣が拝領したと由緒書にある。
しかし家臣の子孫は経済的にひっ迫し、質屋の山川家に預けたが、お金を返せなくなり、
山川家のコレクションとなった。昭和33年、石川県立美術館jの開館時、天皇陛下が行幸
なさるので、県は山川家に寄贈をお願いし快諾してもらった。数年後、県立美術館に
「色絵雉香炉」があることを知った東京のM氏から、「持っている雌の雉香炉を一緒に
展示してほしい」という申し入れがあり寄贈された。
こうして、300年以上を経て、雌雄つがいで展示されることになったそうだ。

初代藩主・前田利家は、利休の高弟に茶の湯を学び、三代利常は小堀遠州と親交が
あり、と、代々加賀は茶の湯が盛んな土地である。美術館にも、重文の「茶入れ」や
たくさんの美しい「裂」(仕覆や表装に使う織った布地)が展示されていた。
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石川県は九谷焼が有名だが、九谷焼の中でも古い年代、江戸前期の50年間だけ作られた
「古九谷」のコレクションが充実している。白素材をいかした「古九谷」は赤、青、黄、白、黒の
五彩で、「青手」は器全体を塗り埋め、赤を除いた色で絵付けをしたもの。

「石川県指定文化財 色絵鳳凰図平鉢」
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代々、工芸が盛んな石川県は、人間国宝に指定された作家が他の地域より多く、
伝統工芸作品がいろいろ展示されていた。また、前田家所蔵の武具、甲冑、刀や
美術品コレクションもあった。
全体に数が多くないので、格調高い品々をゆっくりと見れて、よかった。

県立美術館から21世紀美術館までは、約500m。天下の名園「兼六園」の前を
通る。この石垣の向こうが兼六園。桜は半分散っていたが、緑との対照が綺麗だった。
金沢にしては珍しい晴天なのだそう。

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Y&H夫妻の家は、浅野川沿いにある。
東京・本郷で生まれ育ち、結婚後は千駄木に古い一軒家を見つけ気に入って住んでた
Yだが、埃に弱く、花粉症がひどいので、空気の悪い東京より、水と空気がきれいで、
自然食品が簡単に手に入る金沢に引っ越した。仕事で月に2回ほど東京に来るが、
新幹線で往復できるので問題ない。夫君Hは文筆業なので、ネットで仕事ができる。

夕方、撮った写真なので、暗くて見えにくいけれど、浅くて、きれいな浅野川。
遠くに見える低い山の峰々は、「白山」に続いているのだそう。
青サギ、せきれいを見つけた、と思ったら、燕がシュッと目の前を通り過ぎた。
もう燕の季節!夏には子供が川遊びをするそうだ。

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「綺麗な桜の木を見つけておいたのに、昨日、一昨日で散っちゃって、残念だなぁ」
と言いながら、夫君Hが車で、「兎辰山」を案内してくれた。
山道の途中、左右に満開の桜の木が見つかった。

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山の上から見下ろすと、こんなに綺麗。

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山の桜は、いろいろな種類があるので、ピンク色もさまざま。

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金沢は「加賀友禅」で栄えた町。昔、買い付けに来た商人たちが仕事を終えた後、
寄るのが「茶屋街」だった。友禅は値段が高いので、買い付け商人たちはかなりの
お金を持っていたから、遊べたのだった。
茶屋街は、石畳の道の両側に紅殻格子のお茶屋が並ぶ。江戸時代の雰囲気を残して
いて、伝統的建造物保存地区に指定されている。「森八」「柴舟小出」「中田や」などの
有名和菓子店もあった。
 (*チョコロさんの「にし茶屋街」記事にお菓子、カフェ情報のってます)

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夜は、Y&Hの贔屓店、地元で超有名な居酒屋「いたる」へ行った。
予約がなかなか取れないとのこと。私がいる間にも何本も電話がかかり、ご主人いたる
さんが「すみません。満席で」と断っていた。
日本の古い民家風の造り。ところが、見渡してみると、客の半分以上が欧州系の外人。
「プラネットに載っちゃったから、フランス人、多いんですよ」
プラネットは外国版の「地球の歩き方」らしい。

木桶盛りのお刺身が豪華。
他に、ブリかま塩焼き、牡蠣、白エビかき揚げ、梅貝、シラス、エビしんじょう
(写真なし)
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お菓子は駅構内の「あんと」で購入。金沢出身の辻口啓博の店「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」
で、金のバウムクーヘンとチョコロさんお薦めの「金のシュークリーム」を買った。
どちらも金沢名物の金箔がのせてあった。

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コザック

こんばんは!金沢いいですね~行きたくなります。
私はさいごに行ったのが5年前。そのときも天気がよくなく。
何回か訪れてはいるものの毎回雨か雪なんです☆
いい天気の金沢に巡り会えてよかったですね。
21世紀美術館はいろんな飽きない斬新な展示で楽しいですよね。。
県立美術館は行ったことがないので、次回行ったときには是非「色絵雉香炉」「色絵雌雉香炉」を観て観たいです。この雌雄巡り会ったエピソードもわくわくしますね(^^)/
by コザック (2016-04-18 00:01) 

ぼんぼちぼちぼち

雉の香枦 細工が細かくて見事でやすね。
by ぼんぼちぼちぼち (2016-04-18 15:16) 

moz

金沢、良い時に行かれたのですね。桜の時期の金沢なんて、最高だなぁ~ ^^v
しかも、ブルースカイ~!! 桜にはやはり青い空がいいですよね。地元の人から良く聴きますが、金沢は曇り空が多いとのことです。こんなに晴れている金沢、しかも桜の時期に旅行できるのって、そんなにない機会だと思います。晴れ女ですか? 笑
金沢「まるびぃ」行かれたんですね。どんな展示でしたか? ぼくが行ったときは一室に一つずつのオブジェが展示されていて、とても面白かったです。県立美術館にも行かれたんですね。 ^^
夜もたくさん美味しいもの!!
金沢は、食べ物も美味しいですよね。お酒も? おでんは? かには? 笑(4月だとおでんではないですか?)
記事を読ませていただき、また金沢に行きたくなりました。
甘いものも美味しいですよね。 ^^v
by moz (2016-04-19 06:05) 

匁

国宝「色絵雉香炉」と重要文化財の「色絵雌雉香炉」
は雌雄仲良く国宝で良いのでは?違いは目の迫力?
「石川県指定文化財 色絵鳳凰図平鉢」も今にも鳳凰が跳びだしそうな?

金沢の桜の満開は早いんですね。こちら北関東より早いくらいですね。
4/11はソメイヨシノは楽しめましたヨ。
その週は枝垂れ桜の方はまだ綺麗でしたよ。
by (2016-04-19 07:09) 

Inatimy

私も、現代美術<近江市場です^^。 蒼い空の金沢、いいですね〜。
大学生の頃、夏と冬に友達を訪ねて行きましたが、滞在中、ずっと雨や曇りで、
その友達も、年に300日くらいはこんな感じ、って言っていたのを思い出しました。
裂、キレイですね。 写真のは、雲の連なりで、富田金襴かしら。
文様など、見ててとても面白いです^^。
そして、木桶盛りのお刺身もまた目の保養♪ 美味しそうだなぁ。 
海老しんじょうも、あぁ、食べたいっ。
by Inatimy (2016-04-19 21:02) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲コザックさん、何回もいらしてるんですか。そういえば、「弁当忘れても傘忘れるな」っていう言い伝えがある金沢ですものね。でも、その悪い気象条件が創作意欲をかきたてると友達は言ってました。「厳しい気象条件で外へ出られず、固いパンだけ食べて仕事をすると覚悟してたのに、新鮮で美味しい食材があるから、ついつい料理して、仕事がはかどらないの」って、ぼやいてました。Yはポリシーで電子レンジを持ってないから固いパンなの。でも、ちゃんと本一冊書き上げたんですよ。
県立美術館のミュージアムショップの横に、辻口さんの店=カフェ&ケーキがあります。21世紀美術館のカフェも明るくて良いけど、こちらのほうが本格的です。

▲ぼんぼちさん、展示室に私ひとりだけ、でした。仁清の京焼は、好きなので、見て良かったという満足感がありました。

▲mozさん、21世紀美の建物に興味があったので、mozさんの昨秋の金沢記事を読んでから行きました。私が行った時は、外人と子供連れの家族が多かったので、誰でもが楽しめる美術館なんだなぁと思いました。オブジェが多いからかもしれませんね。「まるびぃ」の通り、丸いので、廊下を歩いている時、円形なんだなぁ、宇宙的だなぁと感じました。展示を見ていると、探検をしている感じがしますね。近江市場に行かねば、だったので、早々に切り上げ、次回、ゆっくり、一人で見ることにしました。
蟹は季節が終わっているけれど、近江市場ではお土産用に売ってました。一万円以上するものばかりでした。「能登豚、能登牛が美味しいから、蟹よりそっちを買いなさい」と言われ、買って帰ったら、豚肉には旨み、甘味があって、私が今まで食べた中で一番美味しい豚肉でした。ぴんきいももさんのような地元の人にはお肉の美味しさがもう当たり前だけど、東京から移住した私の友達には感激の美味しさなので、買って帰りなさいと言うわけです。
mozさんのように、出張でお一人だったら、「おでんに天ぷら」締めのローズカツカレー、プチ贅沢でうれしいですね。

▲匁さん、雉は孔雀と同じで、オスのほうが羽根が緑や青に金色と綺麗なんです。メスは茶っぽい地味な色です。だから、オスは国宝だけど、雌は重文なんだと思います。メスは毛づくろいするかのような仕草が優美ですね。
「色絵鳳凰図平鉢」は、鳳凰の脚に動きがありますね。だから、飛び出しそうに見えるんでしょうね。ぴんと立てた尾羽の美しさに目を奪われました。
匁さんの地域では、まだ桜が楽しめていいですね。東京での枝垂れ桜は由緒ある公園だけなようです。普通の公園では八重桜が咲いています。桜のスケッチはなさいましたか?
by TaekoLovesParis (2016-04-19 22:25) 

coco030705

こんばんは。
さすがTaekoさんの旅は一味違って豪華ですね。桜もきれい。
木桶盛りのお刺身がほんとに豪華ですね。これ、ちらし寿司かと思いました。
おいしそう!
私も何度か金沢に行きました。こじんまりとしたいい街ですね。
兼六園で古いお雛様を観た記憶があります。すばらしく豪華なお雛様でした。
茶道の盛んな金沢なので、和菓子を買って帰りました。また訪れたい街です。



by coco030705 (2016-04-19 23:31) 

ナツパパ

金沢を満喫されたご様子、なによりと存じます。
見て良し食べて良し、お土産また良しの三拍子揃った街ですもの、
わたしもまたぜひ行きたい。
外国からの観光客も多いのですね。
by ナツパパ (2016-04-20 16:21) 

匁

描いています。できましたら
UPします。

by (2016-04-22 09:03) 

TaekoLovesParis

匁さん、水彩で桜のやさしい感じが再現できそうですね。記事になるのを楽しみにしています。
by TaekoLovesParis (2016-04-23 00:04) 

TaekoLovesParis

ナツパパさん、今はやりの旅は、京都→金沢→東京という周遊ルートなんだそうです。「茶屋街」という江戸時代がそのまま残っているうな街並みの所では、日本人が数えるほどで、あと全員外国人でした。東京にも観光客がいるけれど、金沢はその比じゃありません。
by TaekoLovesParis (2016-04-23 00:07) 

TaekoLovesParis

cocoさん、旅は現地の人と一緒に歩くかどうかで、ぜんぜん違うものになりますね。私が「○○へ行きたい」って言うと、「あそこは観光客ばかりだからやめたほうがいい」と、何度も却下されました。
私は金沢は3度目です。飽きることなく、新発見のほうが多いです。
by TaekoLovesParis (2016-04-23 00:12) 

Inatimy

あ・・・コメント埋もれちゃった・・・^^;。
by Inatimy (2016-04-23 01:10) 

yk2

taekoねーさんはサザエさんとかうっかり八兵衛みたいなトコがあるからね~(笑)。
by yk2 (2016-04-23 11:03) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、抜けちゃってごめんなさい。<私も、現代美術<近江市場です^^。>を、うふって笑いながら読んだのに。。金沢のことは、京都と比べる人が多いんです。もちろん金沢ですから地元びいき。御所、二条城対兼六園と金沢城跡と張り合っても、金閣寺、銀閣寺に相当するものはあるのかしら?平安神宮は?清水は?って思いましたが。
やっぱり晴れの日が少ないんですね。私が前、行ったときはどうだったかしら。雨じゃなかったから曇りだったのね、きっと。
Inatimyさんは、京都圏だから「裂」にもお詳しいのね。すごい!まさに、これは、冨田金襴で、雲繋ぎ模様です。大徳寺の金襴とか興福寺の金襴というのもありました。最初が金襴で、素晴らしいと眺めていくと、次が花模様や唐草の緞子で量感に目を奪われていると、次は「間道」だったので、「あら普段着」と急に気が抜けました。中国から伝わった織物の伝統、大切にしたいですね。

金沢のお刺身は、おすすめだけあって、とっても美味しかったです。この友達とはいつも食べ歩きをしていたんですよ。
by TaekoLovesParis (2016-04-24 00:30) 

チョコローズ

こんばんは。お返事が遅くなりました。
当ブログへのリンク張り、どうもありがとうございました。
Taekoさんが金沢に行かれるおっしゃっていたので、何時かしらと思えば
桜を狙ってのお出かけでしたか。
でも桜や紅葉の開花に合わせてのお出かけって難しいですよね。
同じ金沢旅行でも、目的が違うと全然違う旅になりますね。
私たちは芸術より食い意地が張った旅で、お恥ずかしい・・・
大きな町ではありませんが、まだ行けてないところがたくさん。
私もまた行きたいと思っています。素敵な街ですよね。
by チョコローズ (2016-04-24 22:12) 

TaekoLovesParis

チョコロさん、金沢はチョコロさんの記事での予習が役に立ちました。
「ポールボキューズ」とか「大友楼」って友達に提案しても、、「あそこは観光客向けよ」って却下されました。暮らしているとお店選びの視点が違ってくるんですね。
五木寛之の「金沢さんぽ」を「面白いから読んで」と渡され、金沢について知ることができました。ガイドブックでなくこういう随筆だと金沢の奥深いところまで理解で来るって、わかりました。
カニ食べたかったけど、「シーズンが終わってるから、今のはあんまり美味しくない。秋にいらっしゃい」って言われました。チョコロさんの親子旅、ほほえましくて読んでいて楽しかったです。
by TaekoLovesParis (2016-04-25 00:22) 

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