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若冲展 [展覧会(日本の絵)]

東京では、この派手なポスター、見かけた人も多いと思います。
「若冲展」、会期もあと数日。GWには混雑ぶりが話題になりましたが、まだ混んでいるのでしょうか。
でも、一見の価値があります!

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若冲って?っていう人のために少々解説。
江戸時代に京都で活動した絵師、伊藤若冲(1716~1800)。
青物問屋の長男として生まれ裕福に育ち、家督を継ぐが、30才過ぎから絵にのめり込み、
画業に専念するため40才で弟に家業を譲り引退、仏の教えを学ぶ。
当時は狩野派の絵が主流だったが、若冲には、狩野派の影響は見られない。
「若冲ブーム」は、2000年に京都国立博物館で開催された展覧会以来で、東京では、
2006年に「プライスコレクション展」が開催され、人気は不動のものになった。

若冲は長い間、忘れられていたが、その良さを発見したのはアメリカ人のジョー・プライス。
プライスは大の日本びいきで、1ドル360円の時代に若冲作品を買い集めた。
私が若冲を知ったのも、プライスコレクション展であり、以来、いくつもの展覧会を見ている。
    皇室の名宝展(2009年)  京都 細見美術館展「琳派・若冲と雅の世界」展(2012年)
    若冲と蕪村展(2015年)

会場に入ってすぐが、鹿苑寺大書院障壁画の襖絵。全部で4面。
筆が緻密で水墨画の傑作。若冲が得意とする「葡萄」の「葡萄小禽図襖絵」に見入ってしまう。
上から垂れ下がる葡萄の葉と房、画面に伸びる蔓の線のみごとさ。力強い部分と先端の渦巻き
部分。ぶどうの一粒、一粒まで細かく描かれている。広い余白に静寂さを感じた。

今回、若冲愛好家の話題は、行方不明だった「孔雀鳳凰図」が展示されていること。
昨年、某家の蔵から発見され、岡田美術館所蔵となった。
これは、「鳳凰の図」で、「老松に孔雀の図」と対になっている。鮮やかな赤いハート型が尾に
付いている。鳳凰も赤白青と極彩色。
これらは、「動植綵絵」の「老松白鳳図」「老松孔雀図」に似ている。

J_kujyaku_houou.jpg
 
若冲は青物問屋の息子なので、野菜や植物を描いたら、天下一品。
左は玉蜀黍、右は隠元豆。
玉蜀黍には、よく見るとバッタがいる。隠元は、さやの周りの墨を濃くし、さやと中の豆を
目立たせている。下の方にちょこんと座ったカエルが愛らしい。
 
J_ingen_toumorokosi.jpg

若冲は、版画も制作した。
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さて、今回のメインは1階展示室、ぐるっと広い円形の部屋全部を使った展示はみごと。
主展作品50点中33点がここに集まっている。
正面にあるのが相国寺に寄進した「釈迦三尊像」の3幅。

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そして、皇室所蔵の「「動植綵絵」。かなり大きな絵なので見ごたえがある。30幅展示。
若冲が10年かかって描いた連作30枚で、報国寺に寄進したが、明治時代の廃仏毀釈のために、
寺はこれを皇室へと献上。下賜金を得た。

30幅のうちの一枚「群鶏図」

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「老松鸚鵡図」

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2階に上がると、「菜蟲譜」が全巻広げての展示。野菜や果物が描かれている前半、
虫や両生類が描かれている後半も一気に観られる。
「乗興舟」

大阪の西福寺の「仙人掌群鶏図襖絵」も素晴らしい。金地の襖に鶏たちの共演。
そしてこの襖の裏は、「蓮池図」でモノクロ。表の鮮やかさと一転して寂しい光景。
花が朽ち、枯れていくさま。ここには静かな時間が流れていた。

2008年に北陸の旧家から見つかり話題となった傑作「象と鯨図屏風」も登場。
これは昨年、「若冲と蕪村展」で見たばかり。

ラストはプライスコレクション。
「虎図」」、「鷲図」などのほか、プライス氏が初めて購入した若冲作品「葡萄図」も
出品されていた。もちろん、有名なモザイク屏風の「鳥獣花木図屏風」もあり、
人気で人だかりだった。いつ見ても可愛い。

「動植綵絵」の作品保護から会期は僅か1ヶ月。巡回もなし。
水墨画が少なく、豪華な作品の連続だった。


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コメント 11

ぶんじん

GW中と、翌週末の土曜日と、二度とも大行列に圧倒されて諦めてしまいました。いや、すごい人気ですね。
by ぶんじん (2016-05-21 17:17) 

コザック

おお行かれたんですね。うらやましいです。
思えば40分待ちで諦めた自分がうらめしいです(>_<)
もうだめだと思ったんで、GWに図録だけ買ってきました。
ゆるり眺めてます。実物はもっと素敵なんだろうなぁ~と(^_-)-☆
by コザック (2016-05-21 18:53) 

yk2

今日この日の日曜日だって行こうと思えば行けるんですが、平日でさえ240分待ちと云われては、さすがにウンザリ。諦めてしまうのは泣きたくなるほど悲しいですが、もう仕方ないですよね。2006年『若冲と江戸絵画』展の折、『鳥獣花木図屏風』の展示室での身の危険を感じる様なギュウギュウ詰め、ラッシュ時満員電車並大混雑を経験しているので、もう1度あれと同じ思いをしたいとは思えません。パンダ見物じゃあるまいし、一目見られれば「かわいい!」と納得出来るわけじゃないんだから、あれじゃ鑑賞なんて絶対無理ですよ。展覧会主催者もそろそろ時間制チケットとか、新しいアイディア出して欲しいものです。
by yk2 (2016-05-22 03:12) 

匁

若冲展、
今日は先週より少し空いているようです。
現在。150待ち!?

https://twitter.com/jakuchu_300

知人は先週4時間待ちで諦めて帰って来て
今日、午後から行くそうです。
by (2016-05-22 13:22) 

viviriNyoroK28

若冲行かれましたか!すばらしい!私は並ぶので断念ですw
by viviriNyoroK28 (2016-05-22 13:25) 

Inatimy

すごい人気ですね、ネットのニュースで320分待ちと読んで仰天しました^^;。
1ヶ月の会期はすごく短く感じるけれど、貸し出す方も大変ですものね・・・と、
「鹿苑寺大書院障壁画の襖絵」や「釈迦三尊像」が留守中の相国寺を思うのでした。
昨年一時帰国した際に、相国寺の境内にある承天閣美術館でその3幅を観て、大きく迫力のあるサイズに圧倒されました。「伊藤若冲と琳派の世界」展だったんですが、
かなり空いてて楽々鑑賞^^。
「群鶏図」、ただ単に群がった雄鶏の絵だけど、赤いトサカや肉髯が
バランスよく配置されてて見事♪
若冲の鶏もリアルなものからお茶目なものまでいろいろで好きです。
数十羽、飼ってたんですってね。
あまりの混雑に鑑賞断念せざるをえないなら、せめて図録だけでも欲しくなりますね^^。
by Inatimy (2016-05-23 06:04) 

nyonyo

さすが若冲展も行かれていたのですね。混雑に断念しまして、、、記事読ませていただいて大変楽しんでおります!
by nyonyo (2016-05-23 22:08) 

gillman

行きました。圧巻でしたね。
by gillman (2016-05-24 10:05) 

TaekoLovesParis

コメントをくださった皆様、ありがとうございます。
nyonyoさん、ゆっくり読んでいただけてうれしいです。
gilmanさん、匁さん、混雑だけど、内容が印象に残る良さでしたね。

展覧会の内容よりも混雑ぶりが話題になった展覧会でしたね。ぶんじんさん、コザックさんは、上野までいらして行列を見てあきらめ、、一番、くやしいパターンですよね。しかも暑いという気象条件では翌日からの仕事に差し障る、、って考えてしまいますね、yk2さん、viviriさん。
土日も8時まで開館とか、少し高くてもいいから時間予約入場チケット発売とか、何か策を考えてほしいですね。
私は初日の夕方行ったので、10分待ち程度で入れましたが、中が混雑していて、グッズ売り場が1時間待ちと言ってました。でも、一部屋まるまる使っての仏画3枚と皇室の動物植物画の展示は圧巻ですばらしかったです。プライスコレクションのモザイク屏風「鳥獣花木図屏風」が2006年の時は、押し合いへし合いで大変だったのに、今回はらくに見れました。

同じ企画でまた開催してほしいです。日本画の展示は保存上1か月が限度なので会期が短いのはわかりますが、それを煽るような宣伝はどうなんでしょう。

by TaekoLovesParis (2016-05-25 00:09) 

moz

若冲展、前評判もマスコミのあおりもすごくて、ものすごいことになっているみたいですね。見てみたいけれど、240分並ぶのは?? ^^;
群鶏図は素晴らしい構図ですよね、登坂の赤も素晴らしいです!!
あとテレビで見たタイルのような書き方のもの、光の当たり方によって色が変わるとか?
若冲、不思議な画家ですよね。 ^^
by moz (2016-05-26 08:04) 

TaekoLovesParis

mozさん、暑いさなか、並ぶのは身体にもよくないですよね。私は並ぶのが嫌いで、避けるようにしていますが、並んだのは、「プライスコレクション」、「皇室の名宝展」の2回です。両方とも若冲目当てでした。近年、注目されているからでしょうね。見る人たちが一巡して、混雑が少しおさまるといいですね。
若冲は、水墨画も達者で素晴らしいのですが、やはり、色の美しさには惹かれますね。特に赤。
<タイルのような描き方>→紙にマス目を描いてあるので、タイルのように見えます。モザイク屏風の「鳥獣花木図屏風」、地の青が綺麗なんです。図柄の象が大きいけど愛らしいんですよ。機会があったら、ぜひご覧になってください。
by TaekoLovesParis (2016-05-28 18:57) 

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