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ダン・タイ・ソンのピアノ・リサイタル [オペラ、コンサート、バレエ]

少し前のことになるけれど、ダン・タイ・ソンのピアノ・リサイタルに行った。

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ダン・タイ・ソンはヴェトナム人。
5年に1回開かれるショパンコンクール(1980年)で、アジア人として初めて優勝し(22才)
注目を集めた。次の回(1985年)には、ロシアのブーニンが19才で優勝、来日時には、
ブーニン・フィーヴァーが起きるほどの人気だった。

ダン・タイ・ソンのピアノ・リサイタルに行くのは3度目。10年以上前にサントリーホールで
聴いた時、リストの「水の上を歩く聖フランチェスコ」の演奏が、本当に水の上を歩いてる
ような感じがして素晴らしかった。弾いているというより流れてる感じだった。
そろそろ彼も円熟期にさしかかっている。どんな演奏だろうと期待しながら行った。


2017年6月22日(木)19時 紀尾井ホール

(曲目)
ショパン: 前奏曲 嬰ハ短調 op.45
マズルカ 変ロ長調 op.17-1/ヘ短調 op.7-3/嬰ハ短調 op.50-3
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39
リスト: 巡礼の年第1年「スイス」から ジュネーヴの鐘
     ベッリーニ「ノルマの回想」
シューベルト: ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960(遺作)


ダン・タイ・ソンは、『ピアノにハンマーのあることを忘れさせるピアニスト』(仏ル・モンド)
と評されるほどである。メリハリという程度ではなく、椅子に浅く腰掛け全体重をのせての激しい強音。
次はまたとなく優しい恍惚の世界。超絶技巧の見せ場もあって、素晴らしすぎ。

息を止めて食い入るように眺めてしまう。客席の人たちは皆、身動ぎもせずソンさんを見ていた。


アンコールは、2曲。
Beethoven, Leaving song と言って弾いた。
切なさがこみあげ、涙が出るほどの演奏。

久しぶりに感動のコンサートだった。
ダン・タイ・ソンは、4才の時からピアニストの母にピアノを習う。中学生の頃がベトナム戦争の
真っただ中で、ピアノを弾くことができなかったため、紙に鍵盤を描いてイメージトレーニングをした。
防空壕の中にピアノを持ち込んで弾いていたこともあったそうだ。
19才の時、ロシアのピアニストに才能があると見いだされ、モスクワ音楽院に留学した。
そして22才でピアノの世界最高峰のコンクール「ショパンコンクール」に優勝という栄冠を勝ち取った。
ハードな人生だからこそ、表現の幅が広いのだろう。


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演奏開始前の紀尾井ホール。ピアノはスタインウェイだった。

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