So-net無料ブログ作成
検索選択
2017年07月| 2017年08月 |- ブログトップ

映画、そののち食事 [和食]

{映画+食事}は、{美術館+食事}より回数が多い。

ルノワールは有名だから、ルノワール展見てから食事のプランは「いいわねー」とOK
だったけど、「ジャコメッティ展見てから食事」と提案しても、「誰、それ?あなた一人で行きなさい」
なんて言われてしまう。

(1)映画「ボンジュール・アン」と「すし好」
M子さんが「あなたが好きそうな映画よ。フランス映画だし、行きましょ」
いえいえ、コッポラ夫人の映画でダイアン・レイン主演だから、アメリカ映画。
それに私が見たいのは、「カーズ・クロスロード」と言ったが2対1で負けてしまった。
でも、カンヌからパリへのドライブというロードムービーなので、セザンヌのサント・ヴィクトワール山
を車窓に眺め、次にはリヨンで豪華な食事。案内役の運転手がフランス人なので、食べる、飲むスポット
には全部立ち寄り、はてさて、ほんとにパリに着くのかしら?貸したお金は戻ってくるのかしら?
と、ちょっと心配させられることもあり、☆4つかな。

この日はTが「築地にいいお寿司屋さんがあるから」と、お店を予約。
「ここ、なのよ」とタクシーで着いたのは、歌舞伎座の真ん前。M子が、「歌舞伎座の前じゃ築地
って言わないわよ」とクレーム。「あら、築地すし好って書いてあるわよ」「これ、チェーン店でどこに
でもあるわよ」
asusi.jpg

「でも、ここ新しくて、きれいだし、いろんなメニューがあるのよ」とTはめげない。
すわるなり、「好きなの頼んでいい?」と、またたくまに3つ注文。
ヒラメの薄づくり(ヒラメがなくて鯛)。鱧の天ぷら、鯛のかぶと煮。
私は、穴子、M子さんは鯖の昆布締め。
asusi2.jpg

asusi4.jpg

asusi6.jpg


「休日は混むので、2時間になっています」と言われたので、お喋りは後にして
速いピッチで食べる、飲む。写真も撮ったし安心。後半はゆっくり、お寿司をつまむ。
2時間でお店を出た後は、「落ち着いた昔ふうのバーがあるのよ」と、近くの
ビルに移動。ここでもM子さんが「昔ふうじゃなくて、昔、そのものね」と一言。
2時間の間、お客さんが一人も来なかったので、「かわいそうだから、もう一杯飲む?」
と、ついつい遅くまで。


(2)映画「ザ・マミー」と「サル・ドウ・マキノ」
この日、私は「パイレーツ・オブ・カリビアン(最後の海賊)」を提案したけど、負けて
トム・クルーズの「ザ・マミー」に。いつもトム・クルーズ出演の映画は、派手なアクションで面白い。
しかし、今回は、古代エジプトンのミイラの王女が生き返り、行く先々で迫ってくる。お化け映画
に近いノリで、いつもよりスリルが少なかった。☆2.5

この日は、六本木で映画だったので、歩いて移動できる西麻布の一軒家レストラン「サル・ドゥ・マキノ」
を予約。オーナーシェフは、ストラスブールの日本領事館で料理人だった人。工夫した料理をいろいろ
作り外務省から表彰されたとか。料理はコースのみ。全7品で、月ごとに変わる。7,800円と11000円の2コース。
旗がついてるのが豚の角煮、隣はハモ?手前は生ハムといちじく
もうかなり忘れているので、写真だけで。


amakino1.jpg


amaki.jpg

和風だしの利いたお椀がおいしい。万願寺唐辛子としんじょうは海老だったか。。
ご飯は、あなごのおかゆ。デザートは5品あって、いくつ頼んでもOK.


amaki2.jpg


私たちはお料理を作ってるのが見えるカウンター席が、台所の気安さもあって、好きで
いつもカウンター。この日もゆったりと飲みながら過ごした。
お店のHP?には、「大切な人との記念日に」と書いてあるそうだけど、普段でも使え、
居心地が良い。和風とフレンチの融合で季節の食材を使ってるから、今月は何が?という楽しみもある。


nice!(24)  コメント(6) 
共通テーマ:グルメ・料理

銀座で中華2軒 [レストラン(中華・タイ)]

この夏に行った銀座の中華料理を2軒を紹介します。

1、天龍
昭和24年創業の大きな餃子で有名な店。
いつも店の前は行列だったが、近くのビルに引っ越してから、店が広くなったので、並んでも
長時間待つことはなくなった。
大きな餃子が一皿に8個で1100円。休日は家族連れも多く、餃子とチャーハンまたは白飯の
テーブルが多いが、少し夜も更けると、大人が三々五々、料理を囲んだり、麺類を食べたりしている。
場所柄、中国人のお客さんも多い。

料理は、子供の頃食べたような懐かしい中華の味。
たとえば、「酢豚」に、パイナップルが入っていたり、クラゲは細切れ。
辛いもの好きの友達が頼んだ「よだれ鶏」も激辛と書いてあるのに、さほど辛くなかった。

手前左にあるのは、レモン。最近、中華では、紹興酒のロック、レモン入りが気に入っているので、
レモンを別途、頼む。スライスが多いけど、この店では櫛型にざくっと。


Tenryu2.jpg


隣のテーブルに30代くらいの女性がひとり。つゆそばを食べていたが、餃子8個も運ばれてきていた。
「すごい、ひとりで食べちゃう?それとも誰か来るのかしら?」とちらっと見たら、視線が合って会釈。
向こうから「ここ、美味しいですよね」と話しかけてきたので、全部召し上がるのですか?と
きいてみたら、「2つか3つ食べてあとはおみやげで包んでもらい、明日食べるんです」
なるほどー、それなら、一人で2人分頼んでも大丈夫ね。


お店のサイト→ http://ginza-tenryu.com/index.html



2、ピャオシャン (銀座・三越12階)
この店は、気に入っていて、時々行く。
以前に記事にしてるので、ずっと写真を撮っていなかったが、お料理の内容が少し変わったので、
写真を撮ってみた。

左から時計回りに
四川よだれ鶏、 海老&黄ニラ春巻き、 あおりいか&まこも茸の豆鼓炒め、インゲン炒め
よだれ鶏とインゲン炒めが大好きな友達と一緒なので、コースでなく、単品で頼んで、
紹興酒のロック with レモンで。

銀座三越の12階なので、眺めもよく、気持ちがいい。

aapyaosyan.jpg


apya0.jpg

麻布十番本店のシェフは、NHKTVの「あさイチ」に中華のシェフでレギュラー出演している。


お店のサイト → http://www.baiwei-ji.com/


nice!(33)  コメント(11) 
共通テーマ:グルメ・料理

ベルギー奇想の系譜 [展覧会(洋画)]

ticket.jpg


東急Bunkamuraザ・ミュージアムへ「ベルギー奇想の系譜」を見に行った。
ヒエロニムス・ボスに端を発する「奇想」、ブリューゲル展よかった~という友達から
「何か展覧会に行きましょう」と誘われたので、それなら、これでしょう!
ブリューゲル展(バベルの塔)には、ボスも出ていたので。

第1章 15~17世紀のフランドル美術
ヒエロニムス・ボス(1450頃~1516)は、ルネサンス期のフランドルで活躍した。
聖書に題材をとり、内容は訓話なのだが、幻想的で怪奇な絵のため、見た人に強い印象を残す。
今回、チケット(上の写真)やチラシに使われているのは、ボス工房の「トゥヌグダルスの幻視」
brugel400.jpg


騎士トゥヌグダルスは、この絵の左下にいる赤い服の人。後ろに守護天使が立つ。
彼が見た地獄における「七つの大罪」がここに表されている。
たとえば、右上の赤いベッドに横たわっている人は「怠惰」。その下の丸くて白い家の中に
いる剣がささった人は「激怒」、激怒した兵士に殺された。その横、大量の酒を飲まされている
人は「大食」、中央の人は、賭け事を表す四角いサイコロの上に座ったので腹をさされた「邪淫」
こんな具合に説明を読みながら、七つの大罪を探り当てるのは、友達と一緒だから楽しい。
「寝るのが怠惰だったら、私、怠惰だから、地獄行きかも~」なんて言いながら。
閉館前の時間で、すいていたから、目の前でじっくり見れたし、ひそひそ話せた。


「聖クリストフォロス」 ヤン・マンディン 制作年不詳

聖クリストフォロス.jpg

これも不思議な絵。右手前の巨大な修道女のは下が建物になっていて娼館。
中央に杖を持ち立つ人が、川から上がるクリストフォロス。幼子キリストを肩車している。
小さな男の子が、川を渡りたいというので、御安い御用とおんぶして川を渡り始めたクリストフォロス。
ところが、川の中を一歩進むごとに子供が重くなってくる。あまりの重さに、この子はただ者ではない、
と気付き、名前をたずねると、イエス・キリストであると明かした。キリストは全人類の罪を背負って
いるから重いのである。
岸に降り立つと、目の前にあるのは娼館で、何人もの人が出入りしている。
巨大な娼館は、「聖アントニウスの誘惑」にも描かれていた。
「聖アントニウスの誘惑」は、人気の主題だったので、この展覧会でもボスのを含め
5点、展示されていた。見比べることができるので、面白い。
ちなみに「聖クリストフォロス」も3点あった。

ブリューゲルは銅版画が17枚出ていた。七つの大罪7枚と、七つの徳目のうちから4枚。
「大きな魚は小さな魚を食う」
大きな魚は小さな魚を食う - コピー.jpg
大きな魚が小さな魚を飲み込んでいる様子というより、吐き出してる感じがするのだが。
ユーモラスに描かれている。魚が空を飛ぶのは、ボスからの引用だが、遠景にアントワープと
わかる大きなクレーンがある港を描きこんでいるので、人気があった。

ブリューゲルは、第二のボスと言われていたそうだ。ボスふうの絵に日常性を加えたのが
ブリューゲル。アントワープの景色を描きこむなど、その例だろう。

「聖パウロを訪ねる聖アントニウス」 ダーフィット・テニールス(子)
聖パウロをたずねる聖アントニウス.jpg
これは奇怪ではない落ち着いた絵。
聖アントニウスは90歳になったとき、113歳で洞穴で隠遁生活を送る聖パウロを訪ねた。
その時、鳩がパンを持って舞い降りた。


ルーベンス原画の銅版画も7枚。「ライオン狩り」など、さすがルーベンス。迫力が違う。



第2章 19世紀末から20世紀初頭のベルギー象徴派・表現主義

時代は、一気に19世紀末になる。

再び「聖アントニウスの誘惑」が登場。1878年、フェリシアン・ロップスの作品。
フロベールの小説「聖アントニウスの誘惑」に題材を得たそうで、画面中央の十字架にかかる
のは豊かな肉体の裸婦。キリストを脇に押しのけて、自分が十字架に。十字架の上のINRIと
いう文字がEROSに代わっている。十字架の前で頭を抱えて卒倒しそうな聖アントニウス。

同じくロップスの「舞踏会の死神」は、死神として骸骨になった女が白いガウンを着て恍惚の
表情で踊っている。白いガウンは、カソリックの司祭がミサで着るもの。ロップスは教会の
権威に反抗し、この絵を描いた。


これもフェリシアン・ロップス 「娼婦政治家」 1896年 多色刷銅版画 
娼婦政治家.jpg

奇妙な絵ですよね。
娼婦の女性は豚を連れ、足元には、彫刻、音楽、詩、絵画と書かれた擬人像がある。
つまり、娼婦と豚はこれらの芸術を理解せずに踏みにじっている。政治家を娼婦に譬えて批判した。


「ブリュージュにて、聖ヨハネ施療院」 1904年頃 フェルナン・クノップフ
施療院の建物と運河のみの静かな風景。絵の写真は、ここ

「レテ河の水を飲むダンテ」1919年 ジャン・デルヴィル
デルヴィル.jpg
この絵はどこかで見たことがあるのだけど、どこだったのか思い出せない。
姫路市立美術館所蔵だから見る機会があったのだろう。 → ここBunkamura での展覧会でした。
ダンテの「神曲」に、ヒントを得た作品。冥界を巡り歩いているダンテ。レテ河の水を飲むと、
前世のことを忘れるときき、過去の恋を忘れるために水を飲もうとしている。


「運河」1894年 ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク
横に長い絵。水をたたえた夜の河。向こう岸に等間隔に立ち並ぶ樹木、廃屋のような建物。
人の気配がなく静かで幻想的。


骸骨で有名な画家ジェームズ・アンソールは11点の展示。
「オルガンに向かうアンソール」1933年
オルガンに向かうアンソール.jpg

オルガンの向こうの大きな窓の外に大勢の人が、お祭り?と見えたが、解説を読んだら、
若き日の大作「キリストのブリュッセル入城」1888年を描き込んでいるそうだ。アイディアが面白い。

第3章  20世紀のシュルレアリスムから現代まで


「海は近い」 1965年 ポール・デルヴォー
デルボー海は近い.jpg

まさに幻想の世界。
デルヴォーの絵には、汽車と裸婦がよく登場する。


「大家族」 1963年 ルネ・マグリット
大家族.jpg

薄暗い海に突然現れた明るい青空と夏の雲を背負った鳥。
この鳥は、家族愛を象徴するカササギで、ブリュッセル郊外ではよく見かけられる。
これとよく似たもっと明るい色合いのものは、今はなきベルギーのサベナ航空の
シンボルマークとして使われていた。

マグリット作品は10点だが、マグリット!と思わせる良いものがない、と思ったら、
日本の美術館蔵のものばかりだった。


ここからあと、現代美術が面白かった。

マルセル・プロータースの作品 「マウスが『ラット』と書く」mouse écrit le rat 1974年 活版印刷
「マウス」が自分の手の影を壁に写して「ラット」*を書くつもりが「猫」になってしまった。
   *ラットratは英語でもフランス語でも大きなネズミ


「ティンパニー」2006~2010年 は、レオ・コーペルスの作品。ミクストメディア
筆を咥え吊るされた骸骨が、筆でドラムをリズミカルに打つ。笑えるけど、骸骨!
ベルギー芸術には死の陰や骸骨が多く表れる。地理的に各国にはさまれ、戦場になってきた
歴史があるからだろうか。

「プレッツェル」 2006年 ウィム・デルヴォワ
お菓子のプレッツェルが黒く丸い立体に。よく見ると、プレッツェルの棒の部分は、
磔刑にされたキリスト引き伸ばしたもの。「えーっ!」 ユーモア?ちょっとグロ。

絵画でも「磔刑図」1999年 リュック・タイマンス
神の啓示の光だそうで、画面から溢れ出る白い光が眩しい。

時代は1996年なのだが、入ってすぐの場所に展示されていたのが、
「フランダースの騎士(絶望の騎士)」 ヤン・ファーブル
フランダースの騎士.jpg

この写真ではわからないけれど、うさぎの耳を持つ頭の部分がキラキラ黄金色に輝いている。
それもそのはず、黄金虫の殻をびっしり挟み込んでいる!ホンモノでびっくり。
昆虫採集を思い浮かべるが、それもそのはず、ヤン・ファーブルは「ファーブル昆虫記」の
ファーブル先生の子孫。

この展覧会「ベルギー奇想の系譜」のサブタイトルは、「ボスからマルリット、ヤン・ファーヴルまで」
だった。17世紀から突然19世紀末までとんだが、ベルギー特にフランドル美術の奇想、というか
奔放な発想+ユーモア、根底にあるキリスト教信仰、これらを少し知ることが出来た。


9月24日まで。

nice!(34)  コメント(13) 
共通テーマ:アート

ソール・ライター展と映画「急がない人生で見つけた13のこと」 [展覧会(陶芸・デザイン等)]

名称未設定 1のコピー.jpg


東京での展覧会は終わりましたが、伊丹市立美術館で来年8月から開催されます。
ソールライターにインタビューしたドキュメント映画「急がない人生で見つけた13のこと」
はDVD化されていて、再上映の可能性もあるので、記事にしておきます。


ソール・ライター、初めてきく名前だったが、チラシ(上の写真)に惹きつけられた。
映画のスチール写真のような静けさのある抒情表現。時間が止まっているかのよう。
行こう!と思ったのに、時間がとれなくて行ったのは最終日、閉館2時間前だった。
しかも「入れるのかしら?」と思うほど、待ちの列が美術館のある地下から1階まで続いていた。
Bunkamuraの展覧会で、こんなに並んでいるのを見たのは初めて。

ソール・ライター(1923~2013)は、アメリカのピッツバーグ生まれ。
父がユダヤ教の聖職者だったので、ライターも神学校へすすんだが、絵画に大きな関心
を持ち、図書館の美術書なども参照にしながら独学で絵画を習得。

しかし、個展を開催するも絵は売れず、生活のためにファッション写真に転向。
1950年代にはモード雑誌「ハーパス・バザー」の専属となり、写真家として成功をおさめる。
「ハーパス・バザー」は、「ヴォーグ」と並ぶモード誌で、リーダー的存在だった。

カルメン.jpg  《カルメン、『Harper's Bazaar』》 ソール・ライター財団蔵 [コピーライト]Saul Leiter


しかし、いつまでも順風満帆の生活は続かず、撮影の依頼が減少、1981年にはスタジオ閉鎖
を余儀なくされた。ライター自身も自由な創造性を求め、自らのためにだけに制作する「隠遁生活」
へ移り、次第に世の中から忘れられていった。

そんなライターが再び注目を浴びるようになったのは、カラー写真がきっかけ。
彼は1950年代からカラー写真を撮影していたのだが、当時は現像費が高く、現像技術も十分
といえなかったので、未現像のまま自宅に放置されていた。

1994年、イギリスの写真メーカーが、カラープリントのために助成金を出したことで、
ライターは過去作品を現像し、ニューヨークのギャラリーで写真展を開催した。
これが大変な評判を得、さらに何度か写真展が開催され、2006年にシュタイデル社より写真集
「Early Color」が刊行された。美術館やアンリ・カルティエ=ブレッソン財団でも展覧会が開かれ、
ライターは再び写真界の表舞台に登場した。83歳になっていた。


私が好きな傘の写真2つ。共に上から見下ろした視点。
左側のは、傘が画面の下3分の1を覆う。上3分の1は赤信号。3分割の構図が斬新。
さらに都会的センスの色づかい。
右側の赤い傘の写真は、画面を斜めに横切る雪の坂道。モノトーンの中に赤い傘。
浮世絵の構図にそっくり。

足跡2.jpg
《赤信号》1952年 ソール・ライター財団蔵 [コピーライト]Saul Leiter     《足跡》1950年 ソール・ライター財団蔵 [コピーライト]Saul Leiter


大胆な構図と美しい色彩、それがソール・ライターの特徴といえよう。
チラシの左側の写真 「天蓋」1958年、画面の半分以上が天蓋になっている大胆構図。
霧の中を行く人々、無彩色のようだが、薄いクリーム色の背景で全体が温かく見える。


同じく、ぼたん雪が舞う日のニューヨーク。これも絵画のような美しさ。
右の人の傘のおしゃれなこと。

yuki300.jpg
《無題》1952年 ソール・ライター財団蔵 [コピーライト]Saul Leiter


チラシの右側の写真 「雪」1960年は、雨の日、ガラス窓に映る外のようす。
雨のしずくと水蒸気でのもやっとした感じが抒情をよぶ。
ソール・ライターは、ガラス窓への「映りこみ」が気に入っていた。
「ウェイター、パリ」では、ガラス戸に映りこむ反対側の道に立つ人々が面白い。
主役の年とったウェイターは、お盆に視線を向けこぼさないように気をつけている。
パリでの普段の生活の一コマなのだが、切り取りかたでドラマを感じさせる。

Paris.jpg《ウェイター パリ》 1959年 ソール・ライター財団蔵 [コピーライト]Saul Leiter


ソール・ライターは、背中を撮るのも好きだった。ハンマース・ホイの絵を思い出すような作品
「モンドリアンの労働者」は、茶系の落ち着いた色の濃淡だが、モンドリアンの「コンポジション」
を想い起すから、このタイトルなのだろう。
走る車の中なら撮った写真も多い。「戸口の犬、パターソンにて」では、ホッパーの「日曜日」が
浮かんだ。

モンドリアンの労働者.jpg《モンドリアンの労働者》 1954年 ソール・ライター財団蔵 [コピーライト]Saul Leiter

ヌード写真が何枚もあったが、モデルとの親密感が感じられ、日常生活が
切り取られているかのようで、よかった。緊張感なしで撮られているからだろう。
ボナールの絵に似た構図のものもあった。


若い頃、画家だったソール・ライターは、ボナールらナビ派の絵を愛していた。
デ・クーニングらの抽象主義が盛んだった時代なので、その影響も受けている。
ライターの絵も展示されていたが、私には、個性が感じられず、写真の方がずっといいと思った。


先週、東京都写真美術館へ「世界報道写真展」を見に行った。
そうしたら、偶々、ソールライターのドキュメント映画「急がない人生で見つけた13のこと」を
やっていたので、ラッキー!もちろん見た。


インタビューに対し、ソール・ライターが人生、いろいろ、あったけど、こんなことが面白かったよ、
と語る。とてもリラックスして、あははと笑いながらの思い出話。
たとえば、
「『ハイパーズバザー』での1年より、ボナールの一枚のデッサンの方が私にとっては意味がある」
と編集者に言ったら、彼女の表情は凍りつき、軽蔑の眼差しで私を見つめていたんだ。


チラシの写真「雪」に関しては、
「雨粒に包まれた窓の方が、私にとっては有名人の写真より面白い」
(つまり、この「雪」の写真を大いに気に入っている。)

「肝心なのは何を手に入れるかじゃなくて、何を捨てるかなんだ」

「私は日本の浮世絵のコレクションを持っていた。ボナール、ヴュイヤールも持っていた。
その時代は、そこそこ安く買えたんだ。そしてお金が必要になるたびに、それを売っていた。」

映画は近所で写真を撮るようすなども交え、単調にならないよう工夫している。
部屋の壁には淡い色合いのライター自身の絵が3枚かかっていた。お気に入りのボナール
に似ているような、いないような。。時々猫がすっと傍を通る。

昔一緒に暮らしていた彼女は亡くなって、、いいやつだったのになぁ、一緒で楽しかった、
と、言いながら、彼女の荷物をほどくと、そこには、ソール・ライターからプレゼントされた品の
包装が中をすとんと抜いたままとってあった。包装まで大切にとっておいて、いい彼女だった
のね、と、じんと来た。

インタビュー当時、89才。
長い人生を歩んで来たからこその含蓄のある言葉の数々、と感じた。

nice!(29)  コメント(8) 
共通テーマ:アート

7月、楽しかったこと [オペラ、コンサート、バレエ]

(1)親友・歌姫がお弟子さんのKくんとジョイント・コンサート。
三軒茶屋の小さいけれど、音響のいいホール「サロン・テッセラ」にて。
歌姫から、「Kくんが、『日伊声楽コンコルソ』という現在オペラで活躍している人たちを
輩出している権威あるコンクールで1位になりました!」という発表。
歌姫はKくんが高校生の時から教え、芸大受験をすすめ、指導したので、喜びも一層。
番外で、「誰も寝てはならぬ」を歌い、美声と大声量に、皆、うっとり。ブラボー[ハートたち(複数ハート)]

TesseraT.jpg



(2)西麻布のMakinoにて
N嬢、主治医O先生と3人で「暑気払い会食」
ここはコースのみだが、夏らしいお皿が次々と出てきて、眼にも楽しい。よく冷えた冷酒と一緒に。
ところで、何を話したっけ?

MakinoJuli.jpg



(3)暑い日曜日
シネ・スイッチへ映画「ありがとう、トニ・エルドマン」を見に行く約束。
暑い日なので、お茶処はどこも満席の気配。早く着いたM子さんが銀座和光のティーサロン
に並んで席をとってくれた。感謝。
ここのパフェは、高いけど美味しい。メロンパフェ。1940円。

pafe.jpg



(4)ANAホテルのビュッフェ。
時々行きたくなるのが、ここのビュッフェ。2Fなので1Fからマカロンタワーが見え魅力的。
夏はトロピカルモードで、マンゴー、ココナッツ、アセロラゼリー、夏カレーなどがお目見えする。
写真は前菜だけだけど、ちらし寿司、しゅうまい、酢豚、ハンバーグがおいしかった。
各国料理、全部揃ってるのがすごい。何種類あったのかしら。
ANA_Buffet.jpg



(5)おとのはカフェ(自然食)
椿山荘の隣、園芸屋さんと一緒の場所なので駐車場あり。
ここを知ったのは、車を買った友達が(車を見せがてら)、「いいランチの場所があるから」
と迎えに来て、連れて行ってくれたから。
以来、気に入って時々、行っている。
ふだんあまり野菜を食べないので、ここでがんばって食べる(笑)
きれいでしょ。友達はカレーをとったので、シェア。コーヒー付きで1500円くらいのお得ランチ。
人気なので、11:30か1:00過ぎに行かないとかなり待つことになる。(予約不可)

otonoha.jpg



(6)大志満

これは6月のこと。
「ランス美術館展」に行く前にランチ。友達が「和食」がいいというので、前に行った
ことがある小田急ハルクの「大志満」にした。「大志満」は加賀料理の老舗。
きれいだけど、味はふつうだった。

p_Oshima.jpg


追記:コメント欄でyk2さんから、カテゴリーが「オペラ・コンサート・バレエ」なのに、最初の
ひとつ以外が全部食べ物とご指摘をいただき、、確かにそう! 挽回作戦で、7月に見た
オペラDVDを付け加えとこう。


(7)オペラ・トスカ(DVD)
映画版。どこが通常のオペラDVDと違うのかと思ったら、メイキング映像のようなスタジオ風景が
モノクロで挟まれる。
始まると、そこはスタジオ。指揮と共にオケ演奏が始まり、程なくしてカメラが舞台を映す。
オペラ舞台はカラー、スタジオはモノクロと、転換がすぐにわかるようになっている。
監督のブノワ・ジャコは映画監督からオペラの演出家になった人なので、DVDの制作には適任だったと思う。

トスカは有名なオペラで、私も以前に何度か見ている。→ 2009年12月の記事
                                      (ここで予告編映像が今も見れました)

今回は、主役3人が現代を代表する人たち。最高のキャスト。
トスカ:アンジェラ・ゲオルギュー  カヴァラドッシ:ロベルト・アラーニャ  
スカルピア:ルッジェロ・ライモンディ

映画版なので、演技の上手さも必要。特にライモンディは、身震いするほどの憎々しく恐ろしい。
殺されて当然、と思ってしまうほど。
トスカはソプラノだが、低音も響くので、歌に迫力が出て、一途さ、激しさにぴったりだった。
カヴァラドッシは顔も声も甘く女性を魅了する。ゲオルギューとアラーニャはこのDVD制作時は
実際に夫婦だった。(今は離婚)

最後にインタビューがついていて、ゲオルギューが、「私は共産党チャウスク政権下のルーマニアで
育ったので、やはり政治的圧力があった時代のトスカが、言いたいことを言えないという状況は
よくわかります。」と、語っていたのが印象に残った。

Tosca.jpg


nice!(32)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

2017年07月|2017年08月 |- ブログトップ