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笠間日動美術館 [日本の美術館]

笠間日動美術館は、茨城県笠間市にある東京の日動画廊が経営する美術館。
東京からは、車でないと不便な場所なので、行くのが延び延びになっていた。
自然が豊かな環境で野外彫刻も見れるので、新緑、紅葉の季節が良いと聞いていたから、
「ドライブに行きましょ」というお誘いは渡に船。

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これが入口。建物は芦原義信の設計。
写真を撮り忘れたので、パンフの写真を借用。手前のツツジは私が行った時は
もう終わっていて殺風景だった。

まずカフェに行った。全面ガラスの戸から新緑の渓谷が見えて爽快感がある。
カフェなので、ランチメニューは少ない。オムライスを頼んだら友達が、「あら、これ知ってるわ。
私が時々買う冷凍よ。便利だけど、ここで出てくるとは」「でも560円だから文句言っちゃだめよ」
コーヒーは美味しかった。

渡り廊下を通ってフランス館に行くため外に出ると、なだらかな丘陵に野外彫刻園があった。
見覚えのある彫刻がある!左の下から2番目、舟越保武の「原の城」。
岩手県立美術館で見たものと同じだと思う。彫刻は型があると鋳造して同じものを造れる。
「原の城」は、島原の乱の時、廃城だった「原の城」に農民一揆軍が立てこもり、全員、
幕府に殺害された。このことを忘れないよう、討死した兵士が亡霊のように立ち上がる様子
を彫刻にしたもの。クリスチャンである舟越の渾身の作。悲惨さに胸が痛くなるほどで、一度
見たら忘れられない作品。
一番手前にあるのは、雨宮敬子の「間」。一番上、背中だけが見えるのが本郷新の「冬の像」
右側、髪が風になびいているのは「五月の風」山本豊市。

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中央は、淀井敏夫「夏、流木と女」。右は木内克「エーゲ海に捧ぐ」
痩せた体が特徴の淀井の彫刻は、世田谷美術館の庭にもあるし、三菱一号館の庭に
「ローマの公園」という女性2人がベンチに座っているおしゃれな雰囲気の彫刻が
置いてあったこともある。

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これがフランス館の入口。シンプルだが、右側にジャン・デビュッフェの白・青・赤のオブジェが
あるので、「フランス!」とわかる。
左側の胸像は、「鴨居玲」雨宮敬子作。
別棟で、企画展「鴨居玲展」をやっているからなのだろう。

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この美術館の一番の自慢は、ルノワールの「泉のそばの少女」。
30×40と小さなサイズ。肌色からオレンジ色への色合いとグリーンとの対比はルノアール色。
印象派の技法に疑問を持ち始めたルノワールが古典主義的な作風に転向した頃の作品。
同じ年に代表作「大水浴図」が描かれた。

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ゴッホ「サンレミの道」
ゴッホが亡くなる年の作品。サンレミの精神病院に入院していた時で、筆致は荒いが、、色彩には
南仏の光のまばゆさが表れている。

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ピカソ「女の顔」1901年
20歳の時の作品なので具象的。それでもやはり、ピカソらしさが表れている。
「画家とパレット」というパレットを左手に筆を右手に持って画布に向かう自画像は
少し抽象にはいっていた。(写真なし)

シャガール「村の通り(赤い家並) 1937~40年
50歳の作品。青をだくさん使っていた時代。
もう一点のシャガール「花のオルフェ」は、他の絵でもよく見かける花束。
フジタの「天使(眠る女)」は、眠る女性の頭上に可愛らしい天使が3人。
フジタの乳白色の美しい絵。

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カンディンスキー「活気ある休憩」1923年

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青を基調としたエルンストの「夢創りの達人」は、意味不明だが、ふくろうが可愛かった。
アンドレ・マッソンの「とうもろこしの伝説」もシュールなとうもろこし。ミロ風。
いつもながらに難解なロバート・ラウシェンブルグの作品。
面白かったのは、ニキ・ド・サンファルの「蛇の椅子」

キスリングの「花・アガパンサス」赤の背景。
ダリ「花のカリカチュア」は、サンセべリア(観葉植物)に駝鳥の首から上が花として
くっついたもの。思わず笑ってしまった。

日本の画家の作品もある。
岡鹿之助「花」1939年
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高橋由一「鮭」
あれっ?ここにも鮭、でもよく見ると、芸大蔵のものより痩せた鮭。
調べたら、向きも反対だった。
由一の「鯛」もあった。

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どれも、質の高い作品ばかり。さすがは老舗画廊「日動画廊」の所蔵品。
日動のオーナー長谷川氏は、笠間市の出身なので、故郷に美術館を建てたというわけ。
初代オーナーの息子嫁千恵子さんは美人で有名な人。アンディ・ウォーホルの「C夫人像」
もあった。

「パレット館」という建物があり、画家のパレットだけ、350点を展示してある。
それぞれの画家の個性が反映されていて面白く、さくっと見るはずが、ついついじっくり眺めてしまった。

それほど広くはないが、作品が充実していて屋外に彫刻もあるので、遠路、行った価値があった。
企画展「鴨居玲展」もなかなかよかった。(記事は後日追記:チラシを紛失して資料不足。記事はやめました。

追記:
コザックさんは昨年の5月、GWの時にここにいらしてますが、つつじがみごとです。
近くの笠間神社は藤がすてきなので、行くなら、つつじの季節ですね。


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金沢への旅 [日本の美術館]

2年前に金沢に引っ越したY&H夫妻が、「金沢は美味しいものがたくさんあるので、桜の季節に是非!」
とよんでくれた。土日は混むから平日で、桜の開花と仕事の都合を考え、4月11、12日と早くから
決めていた。そうしたら、今年は桜の開花が早かったですね。。

枝垂れ桜が満開の「金沢21世紀美術館」。
カメラをARTに合わせてしまったので、こんな写真。

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21世紀美術館は、「新しい文化の創造」を目的として作られたので、建物は円形で、
壁面がガラス。明るく開放的でどこからでも入れるというコンセプト。妹島和世と西沢立衛
のユニットSANAAの設計が評判になった。SANAAは、その後、ルーヴル美術館ランス別館の
設計も担当した。従って展覧会も「現代美術」のものが多い。「これ見るより、近江市場で
買い物したほうがいいでしょ」と、Yに言われ、「仰せの通りです」

ここへ来る前に、私は、ひとりで、石川県立美術館へ行った。
お目当ては、野々村仁清の国宝「色絵雉香炉」と重要文化財の「色絵雌雉香炉」
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ご覧のとおり、仁清の京焼は美しい色の金彩。雉の目玉に迫力がある。
これは、仁清好きの加賀藩主・前田家の所蔵だったが、家臣が拝領したと由緒書にある。
しかし家臣の子孫は経済的にひっ迫し、質屋の山川家に預けたが、お金を返せなくなり、
山川家のコレクションとなった。昭和33年、石川県立美術館jの開館時、天皇陛下が行幸
なさるので、県は山川家に寄贈をお願いし快諾してもらった。数年後、県立美術館に
「色絵雉香炉」があることを知った東京のM氏から、「持っている雌の雉香炉を一緒に
展示してほしい」という申し入れがあり寄贈された。
こうして、300年以上を経て、雌雄つがいで展示されることになったそうだ。

初代藩主・前田利家は、利休の高弟に茶の湯を学び、三代利常は小堀遠州と親交が
あり、と、代々加賀は茶の湯が盛んな土地である。美術館にも、重文の「茶入れ」や
たくさんの美しい「裂」(仕覆や表装に使う織った布地)が展示されていた。
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石川県は九谷焼が有名だが、九谷焼の中でも古い年代、江戸前期の50年間だけ作られた
「古九谷」のコレクションが充実している。白素材をいかした「古九谷」は赤、青、黄、白、黒の
五彩で、「青手」は器全体を塗り埋め、赤を除いた色で絵付けをしたもの。

「石川県指定文化財 色絵鳳凰図平鉢」
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代々、工芸が盛んな石川県は、人間国宝に指定された作家が他の地域より多く、
伝統工芸作品がいろいろ展示されていた。また、前田家所蔵の武具、甲冑、刀や
美術品コレクションもあった。
全体に数が多くないので、格調高い品々をゆっくりと見れて、よかった。

県立美術館から21世紀美術館までは、約500m。天下の名園「兼六園」の前を
通る。この石垣の向こうが兼六園。桜は半分散っていたが、緑との対照が綺麗だった。
金沢にしては珍しい晴天なのだそう。

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Y&H夫妻の家は、浅野川沿いにある。
東京・本郷で生まれ育ち、結婚後は千駄木に古い一軒家を見つけ気に入って住んでた
Yだが、埃に弱く、花粉症がひどいので、空気の悪い東京より、水と空気がきれいで、
自然食品が簡単に手に入る金沢に引っ越した。仕事で月に2回ほど東京に来るが、
新幹線で往復できるので問題ない。夫君Hは文筆業なので、ネットで仕事ができる。

夕方、撮った写真なので、暗くて見えにくいけれど、浅くて、きれいな浅野川。
遠くに見える低い山の峰々は、「白山」に続いているのだそう。
青サギ、せきれいを見つけた、と思ったら、燕がシュッと目の前を通り過ぎた。
もう燕の季節!夏には子供が川遊びをするそうだ。

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「綺麗な桜の木を見つけておいたのに、昨日、一昨日で散っちゃって、残念だなぁ」
と言いながら、夫君Hが車で、「兎辰山」を案内してくれた。
山道の途中、左右に満開の桜の木が見つかった。

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山の上から見下ろすと、こんなに綺麗。

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山の桜は、いろいろな種類があるので、ピンク色もさまざま。

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金沢は「加賀友禅」で栄えた町。昔、買い付けに来た商人たちが仕事を終えた後、
寄るのが「茶屋街」だった。友禅は値段が高いので、買い付け商人たちはかなりの
お金を持っていたから、遊べたのだった。
茶屋街は、石畳の道の両側に紅殻格子のお茶屋が並ぶ。江戸時代の雰囲気を残して
いて、伝統的建造物保存地区に指定されている。「森八」「柴舟小出」「中田や」などの
有名和菓子店もあった。
 (*チョコロさんの「にし茶屋街」記事にお菓子、カフェ情報のってます)

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夜は、Y&Hの贔屓店、地元で超有名な居酒屋「いたる」へ行った。
予約がなかなか取れないとのこと。私がいる間にも何本も電話がかかり、ご主人いたる
さんが「すみません。満席で」と断っていた。
日本の古い民家風の造り。ところが、見渡してみると、客の半分以上が欧州系の外人。
「プラネットに載っちゃったから、フランス人、多いんですよ」
プラネットは外国版の「地球の歩き方」らしい。

木桶盛りのお刺身が豪華。
他に、ブリかま塩焼き、牡蠣、白エビかき揚げ、梅貝、シラス、エビしんじょう
(写真なし)
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お菓子は駅構内の「あんと」で購入。金沢出身の辻口啓博の店「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」
で、金のバウムクーヘンとチョコロさんお薦めの「金のシュークリーム」を買った。
どちらも金沢名物の金箔がのせてあった。

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大原美術館 [日本の美術館]

 大原美術館は日本を代表する美術館の1つで、岡山県倉敷市にある。
倉敷の実業家 大原孫三郎が1930年に創設した日本初の西洋近代美術館
である。大原氏は、倉敷の洋画家 児島虎次郎をヨーロッパに留学させ、西洋
の優れた絵画を収集させた。さらに、第二次世界大戦後、孫三郎の嫡子、総一郎
がコレクションを拡大した。

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建物は、ギリシア神殿のような太い柱を持つ堂々としたものだ。
入口左には、ロダンの「洗礼者ヨハネ」、右には「カレー市民のジャンデール」の
彫刻がある。洗礼者ヨハネは、東京上野の西洋美術館にもあるが、右手は天を
指している。「カレー市民」全員も西洋美術館の前庭にあるが、その中の一人で
カレー市の鍵を持っているのが、ジャンデールである。

所蔵品の中での一番は、エルグレコの「受胎告知」。
日本にあるのが不思議とまで言われている。
そのせいか、元大原孫三郎の事務所だったという人目をひくツタのからまる情緒
あるレトロな建物は、「カフェ・エルグレコ」という喫茶店。
「ずっと昔に来た時もはいったっけ」と思い出しながら、今回もここで休憩。
コーヒーが美味しい。

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「睡蓮」は、児島虎次郎がモネから直接購入。ゴーギャンも虎次郎の購入品。
セガンティーニの「アルプスの真昼」、シャバンヌの「幻想」、セザンヌの「水浴」
シニャック「オーヴェルシーの運河」、ロートレック「マルトX夫人の肖像、ボルドー」
ピサロ「りんご採り」、ホドラー「木を伐る人」など、今まで、東京で開催された
企画展で見たものが多い。つまり有名な作品をたくさん所蔵している。
ひとつ、ひとつの展示室は小さく、見やすい。

虎次郎のコレクション第一号は、アマン=ジャンの「髪」。
アマン=ジャンは当時、フランスで人気の画家。この絵を買ったことから、
アマンジャンと親交ができ、モネやマティスを紹介してもらったそうだ。
虎次郎の絵は、こちらで。http://taekoparis.blog.so-net.ne.jp/2013-07-15

初めは西洋美術だけだったコレクションも、今では、日本の近代から現代洋画を
分館に展示し、浜田庄司、バーナードリーチなどの陶器を工芸館に置いている。

中庭には、彫刻がある。正面の白い漆喰壁の建物が工芸館。
彫刻は、ロダンの「歩く人」。

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奥は、ヘンリームーアの「横たわる母と子」、手前は、イサムノグチの「山つくり」
工芸館の方には、柳原義達の「道標、鳩」があった。

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モネの「睡蓮」にちなんで、水蓮の池が作ってあった。
これは、昨年秋なので、花が咲いていたが、3月の今は咲いてないでしょう。

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倉敷市は、掘割と柳で江戸の風情を残した街。
散歩やショッピングが楽しい場所です。


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お正月に行った美術館 [日本の美術館]

2014年のお正月、
[晴れ]1月4日恒例の新年会、うちで10名。
欠席は、仕事のAと、めまいのM子ちゃん。
一番奥、主賓席の歌姫Gを待ちながら、写真でも撮りましょうか。
グラスはまだカラ。
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3時から始めて、7時に食事の部終了。
デザートは、昨年引っ越した歌姫Gの新居に移動して2次会。
タクシーで1000円くらいの距離だから、移動もそれほど大変ではない。
私は、片づけもあったし、車椅子のJ子をバス停に送るため欠席。

[晴れ]1月2日は、富士美術館へ「光の賛歌、印象派展」を見に行った。
八王子からバスで20分(バス代300円)という遠い場所だったが、すばらしい
展覧会だった。モネ26点、シスレー17点、ピサロ8、ブーダン6と風景画が
勢ぞろい。人物画はルノアール、マネ、カイユボット、カサット、モリゾなど。
これは、後日、別記事にしよう。

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[晴れ]1月5日、上野の東京博物館へ行った。1月はお正月にちなんだものを展示
しているので、楽しい。
入口には、門松に見立てた南天と松のオブジェがあり、華やかさを演出していた。

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8割くらいの展示品が写真撮影可なので、印象に残ったものをご紹介。
伊勢海老の自在置物。ホンモノそっくりなだけでなく、自在置物だから動くはず。
隣は、利休が実際に使っていた水指。右上にヒビが入っていて、年期ものである
とわかる。
下は象の形の香炉と鶉の置物。の形の香炉。(*)
             *「白楽獅子香炉」と名前がついてました。虎ではなく獅子です。
                  京都の楽焼 常慶作 江戸時代17世紀

どれも愛嬌があって面白い。
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仁清(江戸時代)の「色絵月梅図茶壺」 
春を感じる鮮やかな梅模様。裏側には月も描かれていた。

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午年にちなんで、馬が描かれた長谷川等伯の「牧馬図屏風」6曲1双、
6曲なので屏風全体の写真は難しいから、たくさん描かれた馬の中から
気に入った2つ。

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かなり古い時代、奈良時代のものだと思う。
馬が2頭、鼻を突き合わせているのが見えますか?

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混んではいなかったが、お正月なので、ベビーカーの人、外国人観光客
が目についた。


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たまもの展・埼玉県立近代美術館  [日本の美術館]

 埼玉県立近代美術館へ行った。
りゅうさんのブログで何回も紹介されている美術館だが、遠い?と思って、
行きそびれていた。でも、今回は、「たまもの」と名付けた大コレクション展、
所蔵作品の一挙公開。行くなら今でしょ(笑)

京浜東北線の北浦和駅、西口を出て、大通りをまっすぐ2分くらい歩くと、
北浦和公園につく。美術館は公園の中。
公園入口には、エミリオ・グレコの「ゆあみ」像。
さらに豊かな緑の木々を見ながらすすむと、ん?大きな裸婦がごろんと。
フェルナンド・ボテロ「横たわる人物」(1984)
ボテロの彫刻は、どれも太っていて大きい。
埼玉県立近美3.jpg

近代的な建物は、黒川紀章の設計。
MOMAはMusium Of Modern Artの略、最後のSはSaitama。

埼玉県立近美2.jpg

カメラを持って行かなかったので、携帯のボケ写真。

テーマにそった展示。
最初のコーナーの
テーマは、「面ざし」
児童画のようにも見える単純な形表現のルフィーノ・タマヨの「顔」が最初の絵。
タマヨの顔シリーズが数点続く。ほんわかしたタマヨを見たあと、振り返ると、
田中保のデッサン自画像。初めて名前をきく画家だが強い意志がみなぎる絵
に魅せられる。キスリングの「リタ・ヴァン・リアの肖像」は赤いスカーフ、黒い
透けるドレス、陶磁器のような白い手の女性リタ。若い日の黒柳徹子はこんな?
「黒いドレスの腰かけている女」、黒い背景に黒いドレスだが、淡いグレーの
ストールが2つの黒を分けている。
キスリングふうだが、これ、田中保!
ルオーの「横向きのピエロ」、パウル・クレーの「古代風の二重肖像」。
イラストふうで楽しい駒井哲郎柄澤斎の木版での肖像画シリーズが面白い!
「待った!」とダメだしの手を出しているアルブレヒト・デューラー。
絵筆を持つクービンの両肩に誰かの手が、、死の舞踏などドクロ系の絵が多いクービン
だから、悪霊が絵を描かせているという発想かな?

最初のコーナーだけで、こんなに面白いが、テーマは32あるという。
あまり興味がないところは、はしょらないと。
2つめのテーマは家族。私の好きなモーリス・ドニの「シャグマユリの聖母子」。
シャグマユリは背が高くルピナスのような赤い穂。いかにも南国という花。
白い服のドニの妻が、海の見えるシャグマユリ咲く
庭で赤ちゃんを抱いている絵。
熱帯の強い光が妻に降り注ぐ。紫陽花のほうがたくさん咲いているのだが、存在感
からいうと、シャグマユリ。
小松崎邦雄「五月の花嫁」は、牧場に牛たち、神父様が司式、新郎がタキシード姿
で新婦は牛!シュール。。「オルナンの埋葬」ふうの結構大きな絵。
池田満寿夫、瑛九、吉岡正人の作品もあった。

3つめのテーマ、深く眠るでは、パスキンの「眠る裸婦」のふわっと浮いた感じが
印象に残った。
こんな調子で詳しく書いていくと、いつまでたっても終わらないので、気になった
ものだけ記しておくと、
岸田劉生「路傍初夏」 奥行きのある道、遠近法で吸い込まれる。国立近代美術館
で見た「道路と土手と塀」より単純化されている。
埼玉の景色、東京の景色コーナーでは、知っている場所も昔はこうだったのね、と
眺める。

斎藤豊作もここで初めて知った画家。埼玉生まれだから取り上げられているのだろう。
斎藤は早くから二科会の花と称賛されたが、フランスに渡り、古城に住み、絵の制作を
した。「にわか雨」というサロンに入選した絵は、画面中央に風に揺らぐ大きな木が一本
ある絵。不穏な空、雲に動きが感じられる。
同郷で、同じく美大に学んだが、遅咲きで
苦労をした熊谷守一に援助をしていたそうだ。
埼玉県立近美_熊谷守一ケシの花.jpg ← ケシの花 1956年 熊谷守一

近代美術館なので、シュルレアリスムは外せない。
アルプ、マン・レイ、ミロ、イヴ・タンギーらの作品。
出品点数1000というのだから、見出がある。

すばらしかったのは、大熊家コレクションの横山大観、掛け軸10点。
四季折々、日本の自然の美しさ、繊細さを見てとれる。

一階には、普通の常設がある。
日本画の小茂田青樹「春の夜」は、すっきりとしたきれいな作品。
梅の花の香り漂う春の夜、ネコが獲物をねらって歩く。木の上でそれを見つめる
フクロウ。梅の木にはたらしこみ技法が取り入れられている。夜空の色あいと
さくらの色の対比が美しい。
小茂田青樹_春の夜.jpg


埼玉県立近代美術館のお宝は、モネの「ジヴェルニーの積みわら、夕日」と、モネ17歳
の作品「ルエルの眺め」。ピサロ「エラニーの牛を追う娘」 フジタ「横たわる裸婦」
MonetSaitama.jpg   埼玉県立近代美ピサロ.jpg


彫刻室もあり、ソファーにすわってゆっくり3点の彫刻を見るようになっている。
舟越保武「ダミアン神父像」ブロンズ。私財を投じ、ハンセン病患者救済に献身した神父。
自分もハンセン氏病で亡くなった。何かを語りかけるような口元。崇高さが漂う。
ジャコモ・マンズー 「枢機卿」1979年 ダミアン神父が等身大なのに比し、これは
大きな作品。白い大理石で三角錐の大きく広がったマント、高い帽子、椅子に座り
目を閉じているが厳粛さが漂う。
ヴェナンツォ・クロチェッティ「マグダラのマリア」
風に向かうマリアの後ろ姿。衣服や髪が強い風にたなびき顔が見えない。風に向かう
ことで、全身で悔悛の情を示しているように見える。衣服のうねりに激しさを感じる。

遠くても行く価値のある美術館でした。[ハートたち(複数ハート)]
  *りゅうさんの常設展の作品紹介ブログ記事
「たまもの」展は、5月19日までです。


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秋の箱根 [日本の美術館]

 秋は高原の空気が、澄み切ってひんやりと気持ちがいい。
「ルネ・ラリックの美術館に行きたい」という友達を案内して、箱根に行った。
10時半に東京を出たが、途中、工事渋滞があったので、ラリック美術館に着いた
のは、1時近かった。
目の前の芝生の緑と大きな木を見ながら、テラス席で食べるランチは快適。
時折、頬をなでる風がさわやか。ワンプレートに鶏もも肉グリルとタラのフリット、
ラタトゥーユが載っているランチは、サラダ、パン、コーヒー付きで2200円。

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 美術館棟は2階建て。はいってすぐは、1925年のアールデコ・パリ万博で展示
された女神像。細長い体がこの世離れして美しい。
左)ベッドサイドランプ「日本のリンゴの木」という名前だが、これはどう見ても梅の花、
と説明がついていた。たしかにそう。ラリックは当時の流行だったジャポニズムに惹かれ、
モチーフに積極的に取り入れている。
右)香水びん 三羽のツバメ。ツバメはジャポニスムの代表的なモチーフ。アーチ型の
瓶のふたは、日本刀の鞘をイメージしたもの。

HakoneLaliqueLamp.jpg  Lalique3Oiseaus.jpg

この美術館は撮影禁止だが、「サラ・ベルナールの部屋」から見える庭をガラス越しに
撮影するのだけが許されている。モネの庭のような造りで、池では睡蓮が咲いていた。
人気女優サラ・ベルナールは、ラリックの宝飾品を気に入って次々と注文したそうだ。
形がおもしろいバロック真珠を使ったブローチがすてきだった。

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次、ラリック美術館から車で5分の湿生花園に行った。
入口では、ススキが迎えてくれた。
湿地なので、足元が濡れないよう、尾瀬と同じく「すのこ」状の木道をずっと歩く。
ハイキング姿の人たちが多かった。

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湿生花園の植物は、もう紅葉が始まっていた。マユミの実も赤くなってはじけそうだった。
ワレモコウや女郎花が草原に咲いている向こうに山が見えた。

湿生花園でポーラ美術館といっしょのチケット2500円→2000円を買った。

ポーラ美術館は、湿生花園から、車で10分。

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ポーラ美術館に着いたのは4時。閉館が5時なので、絵画コーナーから見た。
企画展は「コレクター鈴木常治のまなざし」、先代社長のコレクションを見せている。
まず、在りし日の会長室を再現してあった。大きな平山郁夫の絵が横の壁にあり、
執務机の後ろに、カンジンスキー、前には、ケース入りの小さな彫刻。決断に迷った
とき、いつも絵を見ながら、考えたのだそう。

この美術館は、印象派の絵画をたくさん揃えている。
気になったのは、ルノアールの「髪かざり」。
顔にルノアールらしさが見られない。背景もちょっと。。。全体に柔らかさがなく、きつい。
コレクターである会長は、岡鹿之助がお好きだったそうで、かなりの点数があった。
岡鹿之助は、フジタを崇拝してパリに留学と説明書きがあったが、[右斜め下]「掘割」は
アンリ・ルソーに似た構図と筆運び。「村の発電所」は、ブリヂストン美術館の「雪の発電所」
と似ていて、はっとした。シリーズなのだろう。

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秋の日はつるべ落としと言うように、5時に美術館を出て、山道を下っているうちに、もう
暗くなってしまった。箱根での滞在時間は約4時間と短かったが、良い休日だった。

  *前回、ラリック美術館へ行ったときの記事は、こちら

 * ポーラ美術館へ行ったときの記事は、こちら


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